産業廃棄物とは

廃棄物処理法で定義される廃棄物とは、ごみ、粗大ごみ、燃え殻、汚泥、ふん尿、廃油、廃アルカリ、廃酸、動物の死体、その他の汚物又は不要物であって、固形状又は液状のものをいいます。
廃棄物処理法に廃棄物と例示されたものであっても、有償で売却される場合には基本的に廃棄物として取り扱いませんが、脱法的な有償売却などは廃棄物として取り扱われます。また、不要物か有価物かの判断が困難なものは個別に確認する必要があります。(各種リサイクル法の対象となるものもあるため確認必要)

その他に廃棄物から除外されるのも(他の法令、条例で規制があるもの)
①気体状の排出物、放射性物質、放射性物質汚染物
②漁業活動に伴って漁網にかかった水産動植物等で、漁業活動を行った付近で排出するもの
③港湾、河川等のしゅんせつに伴って発生する土砂その他これに類するもの
④土砂及び専ら土地造成の目的となる土砂に準ずるもの

産業廃棄物と一般廃棄物では、排出後の責任主体や処理方法が違ってきます。一般廃棄物は排出された市町村を原則として、基本的には市町村に処理責任があるのです。それに対して産業廃棄物は排出事業者自ら処理することを原則として、都道府県の境を越えた広域移動も認められます。

産業廃棄物とは、事業活動に伴って生じた廃棄物のうち、法律で定められた6種類と政令で定められた14種類の計20種類を産業廃棄物といいます。
事業活動から発生した廃棄物で下記の表に当てはまらないものは、産業廃棄物に該当せず、事業系一般廃棄物となります。

例えば、行政書士の事業活動から発生した廃棄する木くず(机)の場合に下記の表に当てはまるのかといえば、下記の表の木くずは排出事業が限定されていて、建設業や木製品製造業等から排出された木くずのみが産業廃棄物に該当するため、行政書士の事業活動から発生した木くずは産業廃棄物に該当せず、事業系一般廃棄物となるのです。そのため廃棄物がどこに分類されるかを注意する必要があります。

区分種類具体例
あらゆる事業活動①燃え殻焼却炉の残灰などの各種焼却かす、活性廃
②汚泥排水処理の汚泥、建設汚泥などの各種泥状物
③廃油グリス(潤滑油)、大豆油など、鉱物性動植物性を問わず、すべての廃油
④廃酸廃写真定着液など、有機性無無機性を問わず、すべての酸性廃液
⑤廃アルカリ廃写真現像液、廃金属石けん液など、有機性無機性を問わず、すべてのアルカリ性廃液
⑥廃プラスチック類発砲スチロールくず、合成繊維くず、合成ゴムくずなど、すべての合成高分子系化合物
⑦ゴムくず天然ゴムくず ※合成ゴムくずは廃プラスチック類
⑧金属くず鉄くず、アルミくず、金属研磨くず、切削くず、不要となった金属
⑨ガラス・コンクリート・陶磁器くず板ガラス、耐火レンガくず、タイル、石膏ボード、コンクリート製品製造工程からのコンクリートくず
⑩鋼ざい鋳物廃砂、サンドブラストの廃砂、不良石炭、各種溶鉱炉かすなど
⑪がれき類工作物の新築、改築、除去に伴って生じたコンクリートの破片、レンガの破片など
⑫ばいじん大気汚染防止法のばい煙発生施設や産業廃棄物焼却施設の集じん施設によって集められたばいじんなど
排出する業種等限定⑬紙くず建設業(工作物の新築、改築、除去により生じたもの)、パルプ製造業、製紙業、紙加工品製造業、新聞業、出版業、製本業、印刷物加工業の紙くず (※オフィスから出る紙は事業系一般廃棄物)
⑭木くず建設業(工作物の新築、改築、除去により生じたもの)、木材又は木製品製造(家具製品製造業)、パスプ製造業、輸入木材卸売業、、物品賃貸業の木くず、貨物の流通のために使用したパレット
⑮繊維くず建設業(工作物の新築、改築、除去により生じたもの)、衣服その他繊維製品製造業以外の繊維工業の天然繊維くず(注:合成繊維くずは廃プラスチック類)(注:小売店などから出る天然繊維は事業系一般廃棄物)
⑯動物系固型不要物ど畜場解体等した獣畜や、食鳥処理場で処理した食鳥に係る固形状の不要物
⑰動植物性残さ食料品製造業、医療品製造業、香料製造業で原料として使用した動物や植物に係る固形状の不要物(注:飲食店から出る厨芥は事業系一般廃棄物)
⑱動物のふん尿畜産農業から排出される牛、馬、めん羊、にわとりなどのふん尿
⑲動物の死体畜産農場から排出される牛、馬、めん羊、にわとりなどの死体
⑳汚泥のコンクリート固型化物など、①~⑲の産業廃棄物を処分するために処理したもので、①~⑲に該当しないもの

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